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カーボンフットプリント(Carbon Footprint)

前回に引き続き、これから数回に渡り、中小企業が押さえておきたい環境経営のキーワードを解説していきたいと思います。

今回のキーワードは、カーボンフットプリント(Carbon Footprint)です。

直訳すると『炭素の足跡』のことで、商品の原料採取→製造→流通→販売→廃棄・リサイクルといった過程で発生するCO2排出量を算定して商品等のラベルに表示する仕組みのことです。

カーボンフットプリントの目的は、大きく2つあります。ひとつは、消費者が、商品が製造されてから破棄されるまでのCO2排出量を把握することができるようになり、排出量の少ない商品を購入することでCO2排出量の削減が促進されます。
もうひとつは、企業がサプライチェーン全体でのCO2排出量を『見える化」』することで、削減効果の高いポイントを把握し、効果的な削減施策を実施することで、CO2排出量を削減することです。

あなたは、お店で商品を手に取ったときどんな項目をチェックしますか?
血圧を気にしているなら塩分、食の安全を気にしているなら産地、ダイエットをしているならカロリーをチェックすると思います。
それと同じように環境を気にする人はCO2の排出量をチェックして購入する時代が近づいてきています。

カーボンフットプリントはイギリスを中心としてヨーロッパで普及してきました。すでに日本でもイオンが、PBブランドの『トップバリュ』の3品目でカーボンフットプリントを開始しました。これは、国のカーボンフットプリント制度試行事業において認定された「カーボンフットプリントの商品種別算定基準(PCR)」に基づいてCO2排出量を算定し、その算定結果及び表示方法について検証を受けた、国内で初めての案件となります。
PCRとは「プロダクトカテゴリールール」のことで製品別のCO2算定方法を定めたもので、経済産業省を中心に整備が進められています。

中小企業においても独自の取り組みが始まっています。岐阜県にある丸理印刷株式会社が運営するWEBサイトの『フデビン』では、料金表に用紙、刷版、インキなどの製造・加工から印刷・製本・輸送までの印刷物の製造工程で発生したCO2の排出量合計や、1枚あたりのCO2排出量を表示しています。 今は自社の独自基準のため目安表示になりますが、なによりも他社より早く始める経営姿勢が他社との差別化を実現しています。

それでは中小企業が競争に打ち勝つために取るべきことは?

前回も書きましたが、とにかく早く対応することです。

まずは、途中で挫折しないために、自社の商品の中で構成する材料が少なく、サプライチェーンがシンプルな製品を選択し、トライしてみましょう。
カーボンフットプリントの算定を行う商品が決定しましたら、以下のステップでCO2を算定していきます。

1.ライフサイクルフローの把握
2.各プロセスのデータ収集
3.各プロセスのデータをCO2に換算
4.すべてのプロセスのCO2排出量を合算

中小企業にとって、カーボンフットプリントの取り組みを開始することは容易なことではありませんが、完璧を求めずに把握している範囲で、製造プロセスごとのCO2排出量を自社のサイトや販促物等を通じて顧客に伝える。
そのことで、自社の環境への取り組みをアピールしてください。

今は自社のCO2排出量を把握し、公表する『見せる化』だけで他社と差別化することができます。しかし、取引先から商品や材料のCO2排出量の算定を求められてから対応していたのでは遅すぎるでしょう。

カーボンフットプリントが一般化すると、いかにCO2を排出していない製品かが、差別化要因になります。現状把握だけで差別化することができる今こそ『見せる化』の取り組みを開始していただきたいと思います。

次回も環境経営についてのキーワードを解説したいと思います。

2009年12月07日 中小企業

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