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顧客の視点に立った戦略を考える

「不況に負けない勝ち組企業になる方法」第2回
其の2 自社が進むべき方向性を明確化する、戦略検討プロセス-1

其の1で訴求する自社の強みとターゲット候補の市場が見えたら、次にどう攻めるかを考えなければなりません。この時に、同じターゲットに同じ製品特性を売っている、または売ろうとしている競合先について調べた結果が重要になります。

自社製品の強みである特性をニーズとして持っているターゲットに行きついたものの、その市場では大手企業が複数しのぎを削っていたとします。その市場へ中小企業が新規参入するとしたら、どうでしょうか?他社製品と大きな差別性がある場合を除くと、勝ち抜いていくのは至難の業。では、どうすれば良いのか?

下図のようなマトリックスを作ってみると判りやすくなります。

下図は自社開発した製品の対象となりうる市場を、市場毎のニーズと競合先のシェアで表した例です。この会社の新製品の特徴は「小型・軽量」「環境貢献度の高さ」の2点です。この場合、どの市場をターゲットとすべきでしょうか?

図1

製品の特性から、当然、市場-4または市場-5が浮かび上がります。
ここで考えなければならないのは、市場のどのマス目を狙うのか?という事です。

市場-4は、大手、中堅が熾烈なシェア争いをしており、中堅・中小のF,Gグループのシェアはかなり低い状態です。一方、市場-5は現在A社の一人勝ち状態で、中堅・中小のF,Gグループのシェアは比較的高めになっています。市場-4に新規参入するのであれば、大手のシェア争いに真っ向から分け入る事になり、厳しい戦いが予想されます。ここで戦うのであれば、かなり差別性の高い所謂絶対的優位性があるか、相応の資金力を必要とします。

一方市場-5を見てみると、トップシェアのA社が24%と抜けていて、その他は大きく水をあけられています。こちらの方が攻め易そうです。シェア5%のE社、8%のC社、D社あたりに狙いをつけて攻め込めるかもしれません。また当社は中小企業であり、市場-5のシェアでトップを取れなくても、この市場をさらに細分化した時のニッチマーケットでトップを取る事が重要であると考えられます。

戦略を検討する上で重要なのは、ターゲット市場を細分化した情報です。
たとえば、市場-5の場合、なぜA社のシェアが24%と断トツに高いのか?
また、B社~E社はどんなお客様に販売しているのか?どのような売り方をしているのか?その他-Fグループの29%の構成はどうなっているのか?等について調べていきます。
その中に糸口が見つかるはずです。

また、新たな市場が存在しないか?という点を模索する事も必要です。しかし、簡単に新たな市場が見つかる訳ではありません。じっくりと構え、ビジネスチャンスの可能性が見えたら立ち止まってしっかり調査する方が良いでしょう。可能性がありそうな展示会に出向き、絞り込んだ出展企業とじっくり話をするのも良いと思います。

整理すると、戦略策定プロセスの最初は、以下のような作業になります。

1. 候補と思われる市場とプレーヤーをマトリックスで比較します。
2. 各プレーヤーの強みと市場のニーズをマトリックスに書き入れます。
3. 市場規模を大中小(基準を決めて)で記載します。
4. 市場のニーズ、市場の構成、市場の規模、市場の動向、競合状況等からターゲット市場を特定します。
5. 特定した市場についてさらに詳細な分析をします。
競合先の顧客、販売方法、系列、営業戦力、開発状況、方針等

以上のプロセスを経て、自社の現状にマッチするターゲット市場をさらに絞り込み、戦略の糸口を模索します。

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次回は、「不況に負けない勝ち組企業になる方法」第3回
テーマ「顧客の視点に立った戦略を考える」
其の3 戦略オプションの抽出と絞込み、戦略検討プロセス-2 を掲載します。

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2009年11月30日 マーケティングの極意

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